Xaphoonの歴史
ハワイのマウイ
Brian Lee Wittman
が最初に考案した楽器がPocket Sax の前身にあたるものです。
マウイ島に自生する竹を使い、
Brian は30年以上もこのユニークな楽器を作り続けています。
竹製のものは
Bamboo Sax
と呼ばれ、竹の表面を火で加工し美しく仕上げられた楽器で、丁寧な職人技によるハンドメイドの魅力に満ちています。
Brian のメッセージ
私は長い間Bamboo Sax を作り続け、気がつくとその数はなんと4万本を超えました。最初に特別な何かがあったというのではなく、いわば「子供の気まぐれ」のようなものが発端でした。
ある日、森の中にテントを張って母親と一緒に暮していた子供が、私が例の高価な金属で作られたサキソホーンを吹いているのを聴いていました。その子供はおそるおそる私に近づいてきてこう言ったのです
「
もっと小さなのがあれば、僕にだって吹けるのにね
」
私はそのとき思ったのです。「面白い!」小さいやつを作ってやろうじゃないかと。
色々と考えた末、小さな先端を吹いて鳴らす笛を竹で作りました。残念ながら出てくる音はといえば、老人の弱々しいかすれ声のようで、その子にとっても私にもとても満足のいくものではありませんでした。私はボートのもやい楔を削るための小さなグラインダーを持っていたのですが、それを眺めていて突然ひらめいたのです。
グラインダーを使ってその笛のマウスピースに相当する角の部分を一定の角度で削り落として、サックスのリードを取り付けるスペースを作りました。ちょっとだけ糸を巻いてリードをとりつけ、試しに吹いてみました。すると大きな音で鳴ったのです。
その小さな子供は大変喜び、我慢できずにその笛をすぐに欲しがりました。
それで、最初の笛は彼に与え、すぐにもう一本作ってみたのです。
今度は全長を少し長くし、マウスピースから作ることで音程を刻むためのトーンホールの位置決めが音を聞きながらできるようにしました。
なんとかホ長調で演奏できるものができ上がりました。出来上がるとBamboo Sax 2号器を自分の手から離せなくなりました。
Airto Morierra とのエピソード
ある日、リハーサルがあり、リハーサルスタジオにたどり着くと、そこには私のあこがれのブラジルの打楽器奏者で大スターの Mr. Airto Morierra が偶然バンドメンバーを引き連れて来ていたのです。
さっそくそのスタジオでBamboo Saxを演奏したことは言うまでもありません。
そして分かったことは、
強くて温かみのある音はサキソホーンに決してひけをとらない
ことでした。
しかもエレクトリックバンドのセッティングのアンプにもうまくのせることが出来ました。
Airto はすぐにBamboo Saxに惚れ込んでしまったので、彼の音楽に対する私の賞賛を伝える意味を込め、2号器はAirto に進呈しました。
そういう訳ですぐに3号器を作りジャズ演奏をしました。
すると今度は色々な人から次々と質問攻めにあいました。
「何処で売っているの?」
「あんたが自分で作ったのかい?」
「私にも作ってもらえないか?」
「時間がないとはどういうことだよ、金がいるなら払えばいいんだろ?」
ざっとこう言った調子で、
その結果Bamboo Saxが私の仕事となったのです。
具体的に私がとった当初の行動は、まず竹林のそばに引っ越したこと、それからいくつかの国で特許を取得したことです。
手紙で来る注文に応じてひとつひとつ納品を重ねていくうちに数年があっという間に過ぎていきました。
私の子供たちはお腹にいるときからBamboo Saxの音を聞き、Bamboo Saxで建てた家で生まれました。
Brian のBamboo Saxが知られてくるにつれ購入の注文が増え続けました。
そこで2000年に量産が可能な樹脂成型仕様を完成し、そのサイズと軽さ、さらに丈夫さにより、いっそうお気軽にお楽しみ頂くことを意図しまして、
Pocket Sax
と名づけました。
Brian が期待しておりますように、Bamboo SaxのコンセプトはPocket Sax にも引き継がれ、世界中に普及しつつあります。
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